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市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2016-021, 32 Pages, 2017/02
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件: 空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度: 2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。
有阪 真; 木村 貴海; 永石 隆二; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1307 - 1311, 2006/02
被引用回数:6 パーセンタイル:42.64(Chemistry, Physical)時間分解レーザー誘起発光分光法を適用し、高濃度塩化リチウム(LiCl)水溶液中の3価キュリウムの化学種と配位状態を調べた。3価キュリウムの発光寿命及び発光スペクトルから、その第1配位圏中の水分子数()と化学種の分布をそれぞれ決定した。さらに、化学種の分布に基づき、第1配位圏中の塩化物イオン数()を算出し、配位数(+)を評価した。LiCl濃度が6M以下の領域では、3価キュリウムの第1配位圏は水分子のみによって占められており、配位数は一定であることを明らかにした。6M以上の領域では、3価キュリウムが塩化物イオンと内圏錯体を生成していることを明らかにし、特に、10M以上の領域では、トリクロロ錯体及びテトラクロロ錯体が生成していることを見いだした。また、その配位数は6Mから10Mの領域では一定であったが、10M以上の領域ではLiCl濃度の増加に伴い減少することを見いだした。高濃度LiCl水溶液中におけるこのような配位数の減少はランタノイドでは見いだされておらず、アクチノイド特有の現象と考えられる。
有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(2), p.385 - 389, 2003/02
被引用回数:5 パーセンタイル:36.77(Chemistry, Analytical)塩化リチウム-水/アルコール混合媒体を用いる陰イオン交換(AG 1X8樹脂)系におけるEu(III)のクロロ錯形成を時間分解レーザー誘起発光分光法により評価した。Eu(III)のクロロ錯形成は、塩化リチウムまたはアルコール濃度の増加に伴い溶液相と樹脂相の両相で促進された。アルコール濃度の増加による錯形成促進効果はメタノールよりエタノールの方が顕著だった。溶液相では観察されなかった陰イオン錯体が樹脂相では見いだされ、樹脂相の化学環境はEu(III)のクロロ錯形成にとって特異な反応場を提供することがわかった。Eu(III)の陰イオン交換樹脂への吸着挙動は主に樹脂相の化学環境に支配され、Eu(III)は、吸着過程を通じて錯陰イオンを形成することを見いだした。
藤田 玲子*; 中村 等*; 近藤 成仁*; 宇都宮 一博*
JNC TJ8420 2000-004, 41 Pages, 2000/03
乾式再処理技術の研究開発を進める際には、ウランやプルトニウム等を用いた試験の終了後に発生する使用済塩廃棄物を安全に保管することが重要である。そこで本研究では、乾式再処理試験で使用した塩廃棄物を安定に保管・管理する方法を検討するため、現状の塩廃棄物の保管・管理方法について調査した。溶融塩電解試験に使用した塩廃棄物を保管している研究機関に対する調査から、塩廃棄物は、ポリエチレン製ビニールで二重に包み、ビニールの口をビニールテープで封止して密封に近い状態にしたものをゴムパッキン付のドラム缶に装荷して保管していることがわかった。一方、模擬塩廃棄物を用いた保管試験から、温度および湿度は特にコントロールせず、外気とほぼ同じ状態にしても、多重シール性が確保できれば、塩廃棄物の長期保管ができる可能性のあることがわかった。なお、塩廃棄物が水分と接触すると吸湿し液体となる可能性があることを考慮し、あらかじめ高分子吸湿材を入れておくことが重要である。
矢板 毅; 伊藤 大伸; 館盛 勝一
Journal of Physical Chemistry B, 102(20), p.3886 - 3891, 1998/00
被引用回数:26 パーセンタイル:62.03(Chemistry, Physical)274~343Kにおける硝酸及び塩化物水溶液におけるLa-139NMRの磁気緩和及び化学シフトが測定された。緩和時間は塩濃度に対する依存性から、硝酸イオンは内圏錯体を、塩化物イオンは主に外圏錯体を形成することが分かった。緩和時間の温度依存性から、塩化リチウムを加えた水溶液中の核四極子結合定数がもとめられ、これらの値は、既報の水和ランタンの核四極子結合定数と一致した。一方、塩酸水溶液試料においては、塩酸濃度4.3mol dmにおいて、核四極子結合定数のわずかな増加が観測され、溶液構造の違いにより内圏錯体の形成が起こりうることが明らかとなった。回転運動の活性化エネルギーは、おもに、水同士の水素結合の破壊に必要なエネルギーであることが分かった。また、化学シフトから、塩化物イオンの第一配位圏での相互作用は、主に閉核イオン軌道の重なりによる反発力によることが指摘された。
羽鳥 雅一; 市川 正一; 千葉 悠介; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*; 大野 史靖
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器のメンテナンス等による高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件:窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件:空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(検出器・変換器との合成精度: 2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。なお、既存の計測機器により、長期間にわたって雰囲気計測を実施した事例は他にない。